水素水の効能効果のウソ・ホント

水素水の効能効果

水素の効果についてはいろんなところでいろんなことが書かれていますが、医療分野などで研究発表されたということと、一般に販売されている水素水製品のパッケージや販売サイトなどに書いてもよいということを、分けて考えなければいけません。

一緒くたにすると、「製品に書いてはいけないことだから全部ウソだろう」という誤解も生じます。

臨床試験で効果があったことでも、その製品を使った結果、効果があったということを証明して承認されるまで書いてはいけないのが法律ですので。

製品での表示についてはこちらの記事を参考に。

水素水の効果に関する表示について(国民生活センターの水素水調査を冷静に見る!)

 

また、水素水にも種類があり、これからお話する水素水は分子状水素水のことで、活性水素水やアルカリイオン水ではありません。

いま市場に出ているほとんどの水素水製品は、分子状水素(H2)を豊富に含む分子状水素水です。

活性水素水は証明できていないもので、アルカリイオン水はアルカリイオン整水器で作る別物です。(詳しくは下記の記事で)

水素水の様々な呼び名とその意味や違い

それでは、水素の効果についての現状をお話しましょう。

 

水素の基本的な反応(実験室レベル)

酸化還元反応

水素の効果の元になっている力は、水素の酸化還元力です。

酸化還元反応というのは中学校で学習する内容なのですが、大人になるとあまり憶えていませんよね。
酸化還元反応
平たく分かりやすく復習しますと、例えば、銅(Cu)が空気中の酸素に触れると酸化してさび(CuO)になります。
古い10円玉が人の手垢(てあか)を取っても茶色いままなのは、錆びているからです。

元のきれいな10円玉に戻すには、水素ガス(H2)と反応させれば、10円玉にくっついていた酸素は水素と結合して水(H2O)になり、10円玉は銅(Cu)に還元されてピカピカになります。これが酸化還元反応です。

水素と悪玉活性酸素の反応

この10円玉を私たちの身体の細胞やDNAに置き換えて考えてみるといかがでしょうか?

活性酸素は非常に不安定で、くっつく相手を探していますので、どんどん回りの細胞を酸化させていきます。
そこへ水素を反応させると、水素の還元力によって、悪玉活性酸素によるDNAやタンパク質の酸化を抑制できるということが、確認されています。

日本医科大学大学院医学研究科細胞生物学分野の太田成男教授グループが2016年1月に発表した論文によると、さらに詳細に、身体の中で水素がどのように酸化を抑制するのかが分かってきました。

「分子状水素が遺伝子発現を制御するメカニズムの解明」についての論文発表のお知らせ | 太田成男のちょっと一言 

専門用語が多く難解な部分もありますので、詳細は割愛します。

 

水素と病気や症状(臨床レベル)

活性酸素については、もう50年以上前に解明されていて、その後、病気との関連についての研究が進みました。

その結果、いまでは人間の病気の90%は活性酸素が原因であるとまで言われています。

残りの10%はウィルスなどによる感染症です。

(活性酸素と病気については記事最後の補足も参照してください)

 

私達の体内にも酸化を防ぐ酵素(抗酸化酵素)がありますが、そのほかで活性酸素を除去する、いわゆる「抗酸化物質」としては、ビタミンC、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンA、グルタチオンなどがあります。
こういった、酵素やビタミン以外で強力に活性酸素を除去する方法として今注目されているのが、水素の還元力を使う方法です。

つまり水素の効果というのは三段論法的に言うと、感染症以外のすべての病気や症状に対して有効ではないか、という期待が持てるのです。

 

臨床試験はここまで進んでいる

中部大学の市原正智教授らが、2015年6月までに発表された水素に関する論文数をまとめたものがあります。

これはPMCという、アメリカの国立医学図書館 (NLM)が運営する生物医学・生命科学のオンライン論文アーカイブにあるもので、このときすでに元記事となった論文数が321あります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4610055/

ラットやマウスを使った動物実験が多いのですが、人による臨床試験も19例あります。

 

その後2017年4月の太田成男教授のブログによると、人による臨床試験が23例に増えており、そのうち13例は信頼性の高い二重盲検法※です。

※二重盲検法とは、この場合、水素水か普通の水かが被験者に分からないようにして飲んでもらい、思い込みによるプラシーボ効果を排除するテスト方法。

(1) 虚血再灌流関係(急性疾患)
脳虚血(腹腔注射)(人数38)
心肺停止蘇生 (水素ガス)(人数5人:統計解析なし)
(2) 炎症抑制関係
炎症性またはミトコンドリア性筋症(水素水)(人数31)DBを含む
関節リウマチ(水素水)(人数20)
関節リウマチ(関節注射)(人数24)DB
歯周病(水素水)(人数13人)DB
運動後の筋肉痛(水素入浴)(人数20人)DB
(3) 脳神経変性病関係
パーキンソン病(水素水)(人数17)DB
(4) メタボおよび代謝関連
2型糖尿病と境界型糖尿病(水素水)(人数30)DBを含む
メタボリックシンドローム(水素水)(人数20)
脂質代謝異常(水素水)(人数20)
脂質代謝異常(水素水)(人数68)DB
静脈血流改善(水素水)(人数34)DB
運動による乳酸血症(水素水)(人数52)DB
筋肉疲労と血液乳酸(水素水)(人数10)DB
(5) その他
慢性腎不全(血液透析)(人数29)
間質性膀胱炎(水素水)(人数30)DB(自覚症状のみの効果)
放射線治療の副作用軽減(水素水)(人数49)DBらしい
圧力皮膚潰瘍(床ずれ)(水素水)(人数22)
紫外線による皮膚障害(水素ガス)(人数28)
慢性B型肝炎(水素水)(人数60)DB (酸化ストレス軽減効果のみ)
運動による筋障害(サプリメント)(人数36)(統計的有意差なし)
シワ、肌のつやなど(水素入浴)(人数6人)(統計解析なし)

※DBは二重盲検法

すでに論文発表された水素の臨床試験結果 | 太田成男のちょっと一言

 

予防効果はあるのか?

水素は「悪玉活性酸素による酸化」(フリーラジカル連鎖反応)を抑制するということから、むしろ疾患になる前に、予防目的で摂取する方が望ましいと言えるでしょう。

ただ、予防効果をデータで証明するには、大勢の健康な人を数年単位で追跡調査して、水素水を飲んだ人と飲まなかった人の、病気の発症率の差を調べるといった、「コホート研究」などが必要です。

データで証明されれば、一般の水素水製品でも訴求して販売しやすくなります。

参考に、先ほどの太田成男教授のブログでは、病気ではない一般の方での水素水の効果に関する論文も紹介されています。

(1) 水素水を飲むことによってスポーツマンの運動後に乳酸の上昇が抑制され、筋肉疲労が低下していた(筑波大学のスポーツ科学の論文)。
(2) 水素入浴によって、運動後の筋肉痛が軽減した(早稲田大学のスポーツ科学の論文)
(3) 水素水を飲むことによって、日常的な疲労が改善した(大阪市立大学と理化学研究所のデータ)
(4) 水素水を飲むことによって、脂質代謝異常の傾向がある人の悪玉コレステロールが低下した(中国の山東大学の論文)。これは動脈硬化の抑制につながることを示唆します。
(5) 水素水をボランティアが飲むことによって、血流依存性血管拡張反応が上昇した(血流の増加)。これも動脈硬化の抑制につながることを示唆します(福岡県原土井病院の論文)。
(6) 6人の糖尿病発症前状態が改善した(統計的解析はおこなわれていませんが、6人全員が改善したという結果です)(京都府立医科大学の論文)
(7) 水素水を飲用することによって歯周病が改善した(岡山大学の論文)(歯周病は一般的になっていますので、一般の人に含めました)。

すでに公表された一般の方を対象として水素の効果 | 太田成男のちょっと一言

 

ダイエットについて

ミトコンドリアの活性酸素が除去されると、脂肪代謝や糖代謝といったエネルギー代謝が活発になることから、論理的には中性脂肪が減り、血糖値も下がる、つまりダイエットにつながるということも期待はできるのです。

しかしまだ、少人数での予備的な臨床試験データしかありません。

例えば、中年太りの女性10名で行った試験では、短期間ながら数値に改善が見られ、「水素は肥満における身体組成とインスリン抵抗性の管理に有益な物質である可能性を示している」という結論です。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28560519

 

厚生労働省の先進医療Bとして承認された

AED

2016年11月30日、慶應義塾大学病院が申請した水素吸入治療法が厚生労働省の先進医療Bとして承認されました。

今回、水素吸入療法を行うのは、心停止後症候群と言われる状態を対象にしています。心停止後症候群とは、病院の外で、突然に心停止(心室細動と呼ばれるような不整脈が突然発生することによっておこります)になり、救急蘇生術によって心臓の鼓動が再開したけれども、脳をはじめとした臓器の機能が損なわれた状態です。

水素ガス吸入療法 | 先進医療の開発 | 慶應義塾大学病院

 

以下の医療機関が「協力医療機関」として名を連ねています。

  • 山口県立総合医療センター
  • 川崎市立川崎病院
  • 広島大学病院
  • 香川大学医学部附属病院
  • 国立病院機構熊本医療センター
  • 熊本大学医学部附属病院
  • 順天堂大学医学部附属静岡病院
  • 鹿児島大学病院

 

厚労省の先進医療は、将来的に健康保険適用の治療として承認されることを前提としていますので、水素が医薬品として認可され、実際の医療に使われる日が近づいたと言えます。

 

ここまで来ると、もはや「水素水に効果なし」なんてことは、あり得ません。

一般消費者向けの水素関連製品も、特定保健用食品、機能性食品や、医療機器として、早く出てきてほしいですね。

 

補足:悪玉活性酸素と病気

悪玉活性酸素(フリーラジカル)について

私たち人間は、生命維持のエネルギーを得るために酸素を消費します。(大気の約21%が酸素)
その際に、酸素の一部(約2%という説があります)が、「活性酸素」と呼ばれる非常に反応性が高い状態に変換されることがあります。
活性酸素には4種類あり、そのうちの2種類(スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル)は、細胞に損傷を与える有害なもので「悪玉活性酸素」や「フリーラジカル」と呼ばれます。

もともと人間の身体の各組織には、「抗酸化酵素」と呼ばれる、悪玉活性酸素・フリーラジカルを除去・分解して無害にする酵素(カタラーゼなど)が存在していますが、これらの酵素で分解しきれない余分な活性酸素は、癌や生活習慣病、老化等、さまざまな病気の原因になると言われています。

活性酸素が原因となっている病気や症状

悪玉活性酸素が原因となっている病気や症状には次のようなものがあります。

老化

まず加齢とともに悪玉活性酸素が増えて、細胞中のミトコンドリアが減ります。

ミトコンドリアは栄養素をエネルギーに変換するものなので、それが減るということは、生命活動全体が低下するということです。

肌細胞の活性酸素が影響する症状

肌細胞に関係する症状としては、顔のくすみやクマ・シミ、ニキビ・ソバカス、むくみ、毛穴の拡がり、アトピー肌まで、すべて悪玉活性酸素が影響しています。

生活習慣病

内臓脂肪が溜まって、高血糖や高血圧、脂質の異常を併発していく、いわゆるメタボリック症候群(メタボリックシンドローム)も、悪玉活性酸素が大きな要因です。

そしてもっと怖い、糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞といった生活習慣病につながります。

その他の病気や症状

悪玉活性酸素が原因となる病気や症状には、他にも下記のようにたくさんあります。

  • 認知症やパーキンソン病といった脳神経系の病気。
  • 呼吸器系の喘息や肺気腫など。
  • 「がん」に代表される腫瘍全般。
  • 肝炎や胃潰瘍・潰瘍性大腸炎といった消化器系の病気。
  • 白内障のような眼科の病気
  • 身近なところでは、花粉症などのアレルギーや、歯周病、リウマチ、痛風、膠原病など。