2016年の「水素水は疑似科学」騒動の真実とは

水素水は疑似科学騒動の真実

水素水は疑似科学・ニセ科学騒動の経緯と現在

2016年1月、明治大学科学コミュニケーション研究所の「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」に、「活性水素水・(電解還元水)」の記事が掲載されました。

http://www.sciencecomlabo.jp/health_goods/active-hydrogen-water.html

※すでに当時の記事とは内容が変わっています。

これをきっかけに、水素水はニセ科学とか、水素水は効果なしといった話が、一気に広がりました。

この記事の内容はタイトルの通り、「活性水素水」について書かれたものでしたが、「いま世間で売られている水素水はみんなこれだからダメ」といった誤解をさせる結末になっていました。

実際には、当時から「水素水」として販売されていた製品は、分子状水素(H2)を溶け込ませた水素水で、活性水素水とは違うものです。

それにも関わらずYAHOOニュースや産経新聞などに取り上げられたこともあり、水素水市場全体が炎上してしまいました。

その後、分子状水素(H2)の効果を提唱した日本医科大学の太田成男教授の反論記事が産経新聞に掲載されましたが、収まりませんでした。

 

 
これは消費生活センターからテスト依頼を受けた2製品についての調査を公表したものですが、この2製品(「アクアクローバー」と「アクオリア」)は、価格も30万円するもので、マグネシウム合金板を使って電解水を生成するという、一般的な電気分解方式の水素水サーバーとは異なる製品です。
溶存水素濃度も公表していませんし、生成した水を別の容器に移して時間をおいても還元力が落ちませんという、「よく分からない水」なのです。
 
しかし水素水全体への否定的なメッセージになったことは間違いありません。
 
 

更に同年6月には 国立健康・栄養研究所がホームページ上で、「水素水」のヒトでの有効性について、「信頼できる十分なデータが見当たらない」という発表をするに至り、水素水市場の冷え込みは決定的になってしまいました。

水素水に「有効データ見当たらない」 国立研究所「発表」が論争にピリオド? : J-CASTニュース

国立研究所によると「現時点では分かりません」というのが真意だったらしいですが、どう見てもネガティブ情報だけを集めた警告メッセージでした。

偶然か、作為的かは分かりませんが、このような経緯で2016年は水素水市場にとって、大きなダメージとなりました。

一方で医療分野では、様々な疾患において水素の効果を研究する臨床試験が淡々と進められて、成果の発表も続いていたことも、もっと知られるべきでしょう。

 

2018年現在、「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」の「活性水素水・(電解還元水)」というページは、単に「水素水」というページタイトルに変わり、内容も書き換えられましたが、分子状水素水についてもまだエビデンス(証拠となるデータ)が無いということで、「疑似科学」と位置付けています。(URLはactive-hydrogen-waterつまり活性水素水のままですが)

内容を書き換えても、2016年の疑似科学騒動のきっかけは活性水素水に対するものであり、多くの人が水素水について誤った認識をしてしまったということは事実です。

活性水素水と(分子状)水素水の違いについてはこちらの記事を参考に。

水素水の様々な呼び名とその意味や違い

まとめ

水素は私達の体内でも発生していますし、宇宙の根源である元素でいたるところにありますから、人体に及ぼす効果を証明するのは逆に難しいのでしょう。

水素は人の細胞も簡単に通過しますが、骨量や筋肉量などによっても影響に違いが出ると思いますし、活性酸素の量も違いますので、同じ健常者でも被験者となる人の条件をそろえるのが大変でしょう。

一方で個別の症例や個人的な経験として、水素の効果が現れたとする例もたくさんあるのも事実です。

「証明するデータが不十分だから水素は疑似科学である」という立場をとるのは自由ですが、未知なるものへの研究に「疑似科学」という言葉を使って、冷ややかな目で見るのはいかがなものかと思います。

すでに個別の疾患については多くの臨床試験が行われていますので、もうその段階は越えてくるのではないでしょうか。